「こだわってつくった農作物をもっと高い価格で売りたい」「自分の農園の収益を増やしたい」と思うなら、重要なのは野菜や果物のブランド化です。自分でできるブランド化の方法、ブランド化するメリットやデメリットについて解説します。
ブランド化とは、他の商品との差別化を図り、その価値のためにならお金を出しても良いと思ってもらう商品開発を行なうことです。その方法には、美味しさという品質で頂点を目指す方法もありますし、いつ食べても美味しいという信頼を獲得する方法もあります。
例えば、高級果物として贈り物に大人気の「太陽のタマゴ」「夕張メロン」「あまおう」。1箱1万円以上のものもありますが、通常のマンゴーや苺よりも大きさや糖度に優れており、ギフト商品として変わらない人気を博しています。これは美味しさの頂点を目指す戦略方法です。
ただ、そこまで高級品でなくても、一定の糖度や熟度を常にクリアする商品を販売することで、ブランド化につながります。大切なのはどの層の消費者をターゲットにし、他商品とどこで差を見せるか。こだわりの肥料を使っていたり、システムを導入して品質管理をするだけでも、ブランド商品として売り出せます。
ブランド化するポイントは以下の3つです。
果物で信頼を得るには美味しくなくてはいけません。またそれは一度美味しいだけでは形成されず、継続して常に一定以上の品質、美味しさである必要があります。
徐々に消費者の中に「この果物はいつでも美味しい」という信頼が生まれ、他商品と差別化できるようになります。まずはこの信頼を獲得することが、ブランド化のポイントです。
いくら美味しくても、他と区別ができないブランド化ができているとは言えません。物があふれているこの時代では、消費者はすぐにその体験を忘れてしまいます。そこで大事なのが差別化です。
差別化できる要素としては「値段」「味や品質」「地域性」「農家のこだわりや顔が見えること」など。差別化をすることで、あなたの商品が他商品に埋もれなくなります。
ブランド化を図る際には、ターゲットを絞らないと上手くいきません。
「購入しやすい値段で、品質も一定で、常に美味しい」など、万人受けしようとすると商品の魅力が際立たないためです。それよりも「日本一値段が高いけど甘さ抜群のマンゴーを手土産に!地元の人も手に入らない貴重品」のほうが魅力的に感じませんか?
これは出張で宮崎県にきたマネージャー職以上のサラリーマンをターゲットにした例です。ターゲットを絞ることで、商品の魅力を伝えやすくなりブランド化もしやすくなります。
果物がブランドとして認知されるメリットは選ばれる果物になることで、高く売れることにつきます。
例えばブランド化されていないスーパーのみかん。消費者はどうしても値段に目がいき、横に置いてある産地の違うみかんと値段を比べてから購入します。
しかし、ブランド化されている「紅まどんな」だとどうでしょうか?値段以外にも「他より甘い」という価値があるため、『子供に喜んでもらいたいから』『頑張った自分へのご褒美に』と普段より高い値段で購入する人もいます。
当然価格に見合った品質やストーリーが必要ですが、ブランド化をするメリットは、消費者に果物を高い値段で買う理由を与えられることです。
ブランド化するには差別化が必要と解説しましたが、もし品質が消費者の満足を得られるレベルで無かった場合は、品質の悪いレッテルを貼られてしまう可能性があります。
賞味期限を偽装した「船場吉兆」の例は極端かもしれませんが、あの事件は「船場吉兆」が老舗高級料亭としての「ブランド」を確立していたからこそ大きなニュースになったのです。名前を全面に出して差別化しているので、一度失くした信頼を取り戻すのは容易ではありません。
ブランド化するのは非常に難しいことですが、それを維持するのは大変なことです。ブランド化は良い方向にも悪い方向にも働きます。悪いイメージがつくと回復が難しいため、品質管理の徹底が必要になります。
ブランドを維持することは大変ですが、最近はテクノロジーが発達しており、システムの導入でブランド化しやすい状況になっています。具体的には、果物や野菜の内部を非破壊検査ができる、光センサー式の選果機がおすすめ。
テクノロジーを上手く農業に取り入れることで、ブランド化すること、そしてブランドを維持していくことは以前ほど難しいことではありません。大きさだけでなく、糖度や熟度、果物の美味しさを数値化して丹精込めてつくった果物の魅力を最大限にアピールしませんか。